こんにちは。TsutayaPです。
この記事では、私が受験生の時に実際に行った英語の学習方法について書いていきたいと思います。
あくまで私がやったことの一例ではありますが、参考にして頂けますと幸いです。
他の科目はこちら。
ちなみにですが、数学はひょっとしたら書くかもしれませんが、国語はきっと書かないと思います。*1
写真は新緑の総人広場です。
目次
京大英語の概要
京大の英語といえば、その特徴的な形式・難易度から大学受験界でもかなり有名かと思います。
まずは敵を知ろうということで、京大英語の問題構成を見ていきます。
- 長文読解:50点、英文和訳3題
- 長文読解:50点、英文和訳2題・内容説明
- 表現:25点、和文英訳
- 自由英作文:25点、条件英作文
従来は、英文和訳と和文英訳の2本立てだったのですが、それも少し変わってしまいました。
とは言っても、この2つが今でも柱であることに変わりはありません。
点数を稼ぐには、段階を踏んだ着実な英語力の育成が必要です。
適切な努力をすれば、他の受験生から他の受験生から+5~10点のリードを奪うことはそう難しくありません。
力を入れれば、+15~20点まではリードを奪うことも考えられます。
ということで、戦略を練ってみたいと思います。
前提
他の記事では詳しく書いていますが、私は高校時代は理系の人間でした。
ところが受験に失敗して、なぜか文転を決意します。
そのあたりの詳しい経緯は以下の記事をご覧ください。
さて、英語にフォーカスしてみると。
私は昔から英語を「感覚」で解く人間でした。
中学校時代はまだ真面目に授業を聞いていた方でしたが、高校にもなると授業もあまり聞かないようになり…。気づいたら単語テストだけちょっと勉強するような人間になっていました。
そんなこんなで、基礎がないまま受験シーズンに突入した私は成績が安定しませんでした。
現役時は共通テストにおいて、取れる時は9割取れましたが、取れないと8割程度に落ち込んでいました。
これではいかんということで、浪人時に少し勉強法を変えて取り組んだという次第です。
とはいえ、当時の勉強には不十分な点も多々あったので、その辺りの反省も踏まえつつ以下戦略を書いていきたいと思います。
戦略
目標点を置いて考えてみましょう。
- 英語を武器に戦いたい人:105点
- 英語で多少のリードを取りたい人:90点
一旦こんな感じで目標点数を置いてみます。詳しい得点配分も見てみましょう。
105点を目指す得点例
大問1:35点/50点
大問2:35点/50点
大問3:20点/25点
大問4:15点/25点
90点を目指す得点例
大問1:30点/50点
大問2:30点/50点
大問3:18点/25点
大問4:12点/25点
これは私の個人的な感覚なのですが、差がつきやすいのは日本語で答える「英文和訳」ではなく、英語で答える「和文英訳」ではないかと考えています。
なぜなら、私たちは日本人なので、解答を日本語で書ける方が相手に伝わりやすいからです。
ということで、上記のような点数を目指す場合は、英文和訳部分を底上げしつつも、和文英訳でしっかり点数を稼ぐことが大切と考えています。
無論、人によって得意・不得意はあるかと思いますので、上記を参考にしつつも個人個人で微調整頂ければいいのかなと思います。
さて、目標点数を定めた後は、具体的な期分けとそれぞれでやるべきことを考えてみます。
①英語の基礎の基礎を完成
ターゲット:共通テストで7割を目指す層。(現状6割、あるいはそれ以下)
②高校英語の基礎を完成
ターゲット:共通テストで8~9割を目指す層。(はまれば9割が取れる)
③京大英語攻略:英文解釈
ターゲット:共通テストで9割安定している層。(できれば長文読解の演習がそこそこできている)
④京大英語攻略:和文英訳
ターゲット:京大型英文解釈で少なくとも内容は理解できる層。(模試などで5~6割の得点ができればなおよし)
⑤ 京大英語応用:自由英作文
ターゲット:上述①~④を終了、あるいは余力のある層。
実際の勉強
実績
前提条件:授業をまじめに聞いていたのは中学まで。
ただ、英語はどちらかというと好きで、とりわけリスニングが得意。
浪人開始時点での学力はセンター英語160~180点。
ちなみに、現役で受けた名古屋大学の英語は7割くらいだったと思います。
センター型模試:全統マーク180点キープ→本番190点
記述模試:全統記述で160点くらいあった気がします。*2
京大型模試:よくて75点、悪くて50点?→本番88点*3
いや、結局本番9割ないやんという突っ込みがありそうですが、およそということで見て頂ければ…。笑
ひとまず、京大文学部の入試でもビハインドを取らずに戦えた事例として見てもらえればと思います。
実際にやった勉強
①英語の基礎の基礎を完成
期間:現役受験失敗~浪人開始までの1か月(3月)
使った参考書:『ユメタン1・2』
まずは単語から叩き直します。
単語は全ての基礎です。極論を言えば、単語さえ覚えていれば英語の問題は解ける「可能性」があります。(辞書を持ち込んでいるような感じですね)
私はたまたま手元にあった『ユメタン』シリーズを使いましたが、これに準ずるようなレベルの単語帳であればなんでもいいと思います。
『シス単』『Duo』など好きなものを使って大丈夫です。
1ヶ月で9割の完成度を目指すのが良いと思います。
少し抜けることがあっても、模試・センター前などで見返せばいいので心配しすぎなくていいです。
あまり難しい勉強内容ではないのですが、特に浪人生においてはこの段階で単語の基礎ができているか否かが、その後の英語の出来や伸び、ひいては受験結果に直結します。
浪人が決まった人は、単語だけでも継続的に勉強しておくことをおすすめします。(受験まで時間がない人も同様です。))
②高校英語の基礎を完成
期間:4月、5月、1月
使った参考書:『任意の文法書』『共通テスト過去問』(『ユメジュク』)
新しい年度に入ったら、まずはセンター8割安定を狙います。
具体的には、『任意の文法書』で文法力の強化を図ります。
多くの場合は、高校で何らか買わされていると思うのでそれで問題ないです。
ここでは例として、おそらく一番有名である『NextStage』を挙げてみました。*4
文法書を一通り終えれば、(長文に特に不安がなければ)『共通テスト過去問』に移ります。
5年〜10年を目安に解いてみて、8割取れそうか確認します。
もし、8割に及ばないのであれば、分野別で必要な問題集に戻って補強する必要があります。
少し厳しいことを言うと、(ある程度勉強していて)5月〜7月で共通テスト英語8割取れない人が京大を目指すのはかなり厳しいです。覚悟しておきましょう。笑*5
また、余裕があれば、この段階で熟語の単語帳を勉強しておくのがおすすめです。
受験時期に近づけば近づくほど、英単語・熟語・文法知識などを新しく取り入れる余裕は無くなってきます。*6
私はシリーズ続きで『ユメジュク』を使いましたが、これも特におすすめはないので、これだ!と思ったものを使うのがいいと思います。
ここまでやっておけば、共通テスト対策は直前まで放っておいても大丈夫です。心配な方は、共通テストまで1ヶ月を切ってから過去問を1〜2日に1年解いて、15〜25年分くらい解いておくとより安心できるかと思います。
③京大英語攻略:英文解釈
期間:6月〜11月、1月、2月
使った参考書:『ポレポレ』『英文読解の透視図』『京大の英語』(『ユメタン3』)
センター8割なら安定して取れる!調子よければ9割取れる!となったら次の段階に進みます。
京大受験を考える上ではここからが山場です。概ねこのフェーズにたどり着くのは早くて夏前、遅くとも夏休みに入ったあたりになるかと思うので「受験の天王山は夏休み」という言葉がマッチするのが分かるかと思います。
ここでまず使うのが『ポレポレ』です。
今まで文法書で手に入れてきた基礎知識を使えるものにするために、文法構造や訳し方などを学習します。
問題を見て、文構造を取って、日本語訳を書く。
あとは原文を見て、日本語訳がすらすら頭に思い浮かぶまで叩き込む、という作業をしていきます。
同様の使い方をするのが『英文読解の透視図』です。こちらの方がやや難しいのでポレポレよりも後ろに持ってきています。
理想を言えば、両方とも2周するのがいいのですが、現実はなかなかそううまくいかないので…。笑
ポレポレだけ3周する、透視図だけする、ポレポレは2周するけど透視図は1周だけなど、各々のレベルに応じて調整するのが重要かと思います。
これらで基礎をつけた後にやるのが、『京大の英語』です。要は過去問演習ですね。
透視図までやり切った方は、十分に過去問に取り組むだけの素養があると思います。
やり方は同じで、文構造を取って、日本語訳を書いて、あとは原文を見ただけで日本語訳がすらすら思い浮かぶまで復習する。この繰り返しです。
時期的には遅くとも10月くらいには過去問演習に取り組めているとよいと思います。*7
理由としては、11月に京大模試があるので、その前にある程度過去問演習を積んでおいた方が模試をより効果的に利用できるからです。
11月中に10年分くらいできていると、進捗としてはめちゃくちゃいい感じだと思います。
過去問演習に入って誰もがぶち当たる壁が「単語が難しすぎる」だと思っています。
そういう方で英語にかけたい方は、『ユメタン3』など英検準1級レベルの問題に取り組むのは効果的かと思います。
できれば、センター前も継続して英文解釈の学習を継続しておきたいですが、最悪センター期間は2日に1回などに頻度を落として、センター後にエンジンをかけ直すでも大丈夫だと思います。
④京大英語攻略:和文英訳
期間:10月〜2月
使った参考書:『竹岡広信の 英作文が面白いほど書ける本』『京大の英語』
京大英語は英文解釈の比率が高くなってしまうので、どうしても和文英訳にかける時間は少なくなっています。英文解釈にある程度目処をつけてから始めるのがおすすめです。
10月開始を推奨しているのは、英文解釈の項でも記述した「11月に京大模試があるから」が大きな理由です。
8月にある京大模試は言うなればただの肩慣らしです。特に浪人生であれば、現役生の状況が整っていない段階だと実力以上の判定をもらって当然と言えます。
なので、必然的に照準を合わせるのは11月になります。和文英訳に関していうと、過去問演習まではいかなくても、何か一冊仕上げて行きたいところです。
使うのは『竹岡広信の 英作文が面白いほど書ける本』です。*8
これを使って、簡単な英語表現を頭の中に叩き込んでいきます。英文和訳とは逆で、日本語を見ればスムーズに英語が出せるまで復習するといいと思います。
2周くらいして、全てがある程度頭の中に入ったらもう早速『京大の英語』に入っていきます。こちらは癖があるので、学習にあたって若干工夫が必要です。
解答例が載っているのですが、「そんなの書けないよ」という内容のものばかりなんですね…。
そのため、自分で「自分が本番書けそうな解答」を作成して、それを頭の中に叩き込む必要があります。この解答を作成するときに、前に勉強して和文英訳の基礎知識が生きてくるというわけです。
センター前までに5年〜10年、本番までに10年〜15年くらいの解答を作成・暗記しておけると本番も十分戦えるかと思います。
⑤ 京大英語応用:自由英作文
期間:無し(2月)
参考書:『他大学の過去問』
この部分は私が経験していない部分なので、あまり信頼できないかもしれませんがご容赦ください…。
基本的な考えは和文英訳と同じなので、特別な対策は不要と思っています。
もし不安がある方は、自由英作文の基礎が掴めそうな参考書を適当に一冊流し読みするのはありだと思います。
後は、実践練習あるのみです。京大の過去問は量が不足しているので、東京大学・名古屋大学などの実績ある大学の過去問から自由英作文のみを少し解いておくのがよいと思います。
ただ優先度は低いので、英文解釈・和文英訳の対策が足りていない人はそちら優先で大丈夫です。
まとめ
- 京大英語は英文解釈100点・和文英訳50点の計150点
- リードを取るためには最低90点、最高105点を目指そう
- センター8割安定が京大英語学習の基礎
- まずは英文解釈、ついで和文英訳の学習
- 学習量のバランスは各々で取るのが肝要
- 自由英作文の優先度は下げて問題なし
- センター前は多少京大対策を少なくしても大丈夫
ここまで長々と書き連ねてきましたが、基本的には私がやった勉強をそのまま書いています。
もう数年前にはなってしまいますが、一合格者の例として参考にして頂ければと思います。
おまけ
持っておくと役に立つかもしれない参考書
上記はいわゆる「問題集」ですが、その他持っておくと辞書的に使えそうな参考書を少しばかりご紹介しておきたいと思います。
『ロングマン現代英英辞典』
言わずと知れた英英辞典です。
もちろん紙で持っておく必要はなくて、電子辞書などでも全く問題ないです。
特に英作文を書くときに、普通の和英辞典で調べると数多ある英単語のニュアンスが分かりにくいことが多々あります。
そういった際は、英英辞典で単語の原義を抑えるのが重要です。
いちいち調べるのは大変ですが、こういった地味な作業は確実に英語力を伸ばしてくれます。
『表現のための実践ロイヤル英文法』
こちらも言わずと知れた文法書。こちらは特に英文解釈の方で力を発揮します。
文法が意味不明な文章が出されることが多々あるんですよね…そういった時はこのロイヤルで調べれば噛み砕いて説明してもらえます。
慣れてくれば、英作文の際の文法チェックにも使えます。
分厚くて難しいので普段使いは難しいですが、ここぞという場面での学習に活かしたい一冊です。
『システム英単語Premium』
いくつか単語帳を紹介し単語の重要性を説明してきましたが、それでも分からない単語は確実に出てきます。
その時にあたふたしないように類推力を磨けるのがこの一冊。
語源を知ることで、単語のパーツから意味を想像することが多少できるようになります。
読み物としても面白い本です。余裕がある方は抑えておいて損がないと思います。
特に文学部を目指す人へ
文学部を目指す人、英語を特に頑張っておいて欲しいなと思います。理由は以下の2つです。
- 英語の採点が厳しい
- 入学後も高い英語力が求められる
1つ目ですが、おそらく京大入試の採点は学部ごとにバランスを取られていると思います。なので、文学部の英語6割と工学部の英語6割が持つ意味は多少違っていて、受験者の中に英語強者が多い文学部の英語6割の方がレベルが高いと考えられます。
裏を返すと、文学部受験に当たって英語の点数が低いと簡単においていかれます。
ある程度覚悟を持って、英語に時間を割くのが必要になりそうです。
一方で、同じことが数学にも言えます。数学が苦手な層が多い文学部においては、数学で点数が取れれば一気に差を開けることは可能です。
上記の前提を踏まえて、自分の学習時間をどこに割くべきか、各々のカスタマイズが重要になります。
2つ目ですが、文学部は入学後特に英語を多用します。カリキュラムの中で英語(英文解釈)の授業が組み込まれていますし、3回生以降の研究になると高い英語力が必要になる分野が多くなります。
ここでいう英語力とは、Google翻訳でなされた適当な訳を理解する力ではなく、自分で辞書を引きながら英語原文の持つ意味を正しく理解する力です。
そのためには、文学部基準で入試においてある程度英語で点数が取れるようにしておくのが大切です。
実際、私は6割弱でしたが入学後に痛い目に遭いました…。笑
ということで、やはり英語学習からは避けられないので、入試段階で英語力を高めるように学習していくのがいいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
興味がある方は、以下もぜひご覧ください。