こんにちは。TsutayaPです。
この記事では、私が受験生の時に実際に行った日本史の勉強について書いていきたいと思います。
あくまで一例ということで参考にして頂けると幸いです。
ちなみにですが、他の科目に関しても同様の記事を書くかどうかは…現時点では分かりません。
というのも、これほど力を入れて勉強したのは日本史くらいだからなんですよね。笑
(追記)書いてみました。
…気を取り戻して、本題に移りましょう。
目次
科目選択
前提
他の記事では詳しく書いていますが、私は高校時代は理系の人間でした。
ところが受験に失敗して、なぜか文転を決意します。
そのあたりの詳しい経緯は以下の記事をご覧ください。
私はもともと倫理・政治経済を履修、受験で使用していたので、これに加えて最低一つは社会科目を追加する必要がありました。
この時、私に東大を目指す可能性が一ミリでもあった場合は、すでに履修済みの倫政も別の科目に置換する必要があります。
ところが、家庭事情などからも目指す最高のレベルは京都大学ということが決定していたので、社会科目1つの追加ということにしました。
大きな問題といえば、ここで追加する「事前知識ゼロの社会科目」が二次試験の記述式でも必要になるということです。
ましてや、文学部志望となると社会科目自信ニキがわんさかいます。
こうした人たちと戦って、リードを取る、最低でも五分五分の戦いができる科目を戦略的に選ぶことが求められたのです。
他科目との比較
では、本格的に科目選択に移っていくわけですが…
皆さんご存知のように選択肢は3つです。
- 日本史
- 世界史
- 地理
割合は正確には分からないのですが、予備校にいた時の感覚だと以下のような感じです。
世界史>=日本史>>地理
まあ間違いないのは、地理が圧倒的にマイノリティであるという点です。
という点も踏まえつつ、科目の特性を見ていきましょう。
世界史*1
- 大問4つ
- 一問一答60点、論述40点(300字×2)
- 受験者も多いため情報量もそれなり
- 60点くらいの層が多く、80点を超える猛者もそれなりに
地理*2
- 大問4つ
- 選択式、短答、100字以下の論述
- 受験者が少ないため情報量が若干不足
- 60点ほどの層が非常に多く、80点を超えるものは神
日本史
- 大問4つ
- 一問一答70点、論述30点(200字×2)
- 受験者も多いため情報量もそれなり
- 60点くらいの層が多く、80点を超える猛者もそれなりに
上記を見て分かることは、日本史と世界史は非常に似た構造をしているものの、地理は一線を画しているということです。
よって、私は以下の選び方をおすすめします。(もちろん、いずれかの科目ですでに実績のある人=共通テスト9割安定はそれを選ぶべきかと思います。)
- 日本史:観光地に住んでいる人。漢字に抵抗感がない人。確実性を求める人。
- 世界史:1年間情熱を持って勉強し続けられる人。カタカナに強い人。広い範囲を把握するのが得意な人。
- 地理:よっぽど暗記が嫌いな人。理科科目の理解も得意な人。学習法を自分で見出せる人。
日本史がおすすめなのは「確実性を求める人」です。
一問一答70点分は努力で取れる部分です。ただその努力に際して、漢字での暗記が必須になるので…それが無理だと言う人はバランスのよい世界史も選択になるかと思います。
地理はよほどの理由がない限りはおすすめできません。ただ、東大を視野に入れている場合は、日本史・世界史選択だと暗記量も膨大になったり、歴史科目のどちらかが合わないということも出てくるかと思います。
そういった場合には、1科目地理を入れておくというのも有効な戦略かと思います。
京大日本史の概要
というわけで上記を読んだ結果、「漢字には強い」「70点は確実に取れる」というところに共感して日本史を選んだ皆さん、ようこそ。
適切な努力をすれば、他の受験生から+5点のリードを奪うことはそう難しくありません。場合によっては+15点のリードも可能です。しっかりやっていきましょう。
まずは敵を知ろうということで、京大日本史の問題構成を見ていきます。
- 史料読解:20点、難易度高いが対策して点数を取りたい
- 短文空欄補充:20点、難易度も高くなく確実に点数を
- リード文ありの空欄補充、短答:30点、難易度普通のため確実に点数を
- 論述問題(200字)×2題:30点、差はつくものの必要に応じて対策
上記特徴を知った上で、戦略を練っていきましょう。
戦略
目標点を置いて考えてみましょう。
- 日本史を武器に戦いたい人(文学部におすすめ):80点
- 日本史で多少のリードを取りたい人:70点
一旦こんな感じで目標点数を置いてみます。詳しい得点配分も見てみましょう。
80点を目指す得点例
大問1:16点/20点
大問2:18点/20点
大問3:26点/30点
大問4:20点/30点
70点を目指す得点例
大問1:14点/20点
大問2:17点/20点
大問3:24点/30点
大問4:15点/30点
これを見比べてみると、やはり得点を稼ぐ上で鍵となるのは、確実性のある大問2、3ということになります。まずはここで8割近い得点をたたき出すために力を注いでいきます。次いで余力がある場合は、史料問題・論述問題での点数創出を狙います。
というわけで、京大二次試験で狙いの得点を出すまでの期間をいくつかに分割して考えてみると以下のようになります。
①歴史の基礎の基礎を把握(~中学歴史まで)
ターゲット:日本史未修者の中でも特に前提知識がない人。共通テストを見て解ける問題が皆無の人。
②高校日本史の流れを把握
ターゲット:共通テストで60点を目指す層。
③高校日本史の基礎完成
ターゲット:共通テストで80点を目指す層。京大日本史で大問2、3で6割を目指す層。
④京大日本史の基礎完成
ターゲット:共通テストで90点を目指す層。京大日本史で7割を目指す層。
⑤京大日本史の応用
ターゲット:共通テストで90点安定、あわよくば満点を目指す層。京大日本史で8割を目指す層。
もちろんこれを1年間でやりきるのはかなりハードですが、やってやれないことはありません。私の実例を見ながら、どのフェーズから始めるか、どの参考書を使うべきか考えて頂けたらなと思います。
実際の勉強
実績
前提条件:高校日本史の履修なし。日本史は昔から好き。推定学力はセンター30点。*3
センター型模試:全統マーク①72点?→②90点?→③90点→プレ90点→本番100点
記述模試:全統記述①75点?→②80点→③85点
京大型模試:①60点→②65点→本番75点(16点/17点/24点/18点)
いや、結局本番8割ないやんという突っ込みはあるかと思いますが…笑
ゼロからでも1年でこれだけやれた実例として、温かい目で見てもらえると嬉しいです。笑
実際にやった勉強
①歴史の基礎の基礎を把握(~中学歴史まで)
期間:現役受験失敗~浪人開始までの1か月(3月)
使った参考書:『大学入試 マンガで日本史が面白いほどわかる本』
高校日本史の流れを理解するための参考書で有名なものは多数ありますが、私のように日本史未修者はそれを読んでもピンときません。その前の土台が必要になります。
それは例えば、「時代の順番が分かる」「死ぬほど有名な日本史上の人物を知っている」といったものです。
こんなレベルでの理解でいいかと思います。
というわけで、まずは私がつかったもののように漫画、イラストで日本史のコアな部分を教えてくれる参考書をさっと読んでみるのがおすすめです。
1か月と書いていますが、多くのひとは1~2か月で終わるのではないかと思います。
②高校日本史の流れを把握
期間:4月~6月
使った参考書:『日本史Bの点数が面白いほどとれる本』、『はじめる日本史 要点&演習』
いよいよ、本格的に高校日本史の世界に突入していきます。
やったことは、『面白いほど取れる』を分野絞って読み、その内容に応じて『はじめる日本史』で簡単に復習・用語記憶していくという感じです。
両参考書は、センター系まとめ本・日本史基礎固め用薄い本であれば代替可能です。自分で合うと思うものを使っていただければいいのかなと思います。
このフェーズはやっていることは単純、使っている参考書も難しくないのですが、とにかく前提知識に乏しいため苦しく、地道な作業になります。
後のフェーズはそうでもないのですが、ここだけは勉強の絶対時間量がどうしてもある程度必要になります。
他教科との兼ね合いにもなりますが、できるだけ時間を確保して速やかにこなしていきましょう。
一つのマイルストーンは第1回全統マーク模試です。
ここは範囲が絞られているので、その制限をうまく生かして点数を取りに行きましょう。
60点取れれば十分です。70点取れれば万々歳です。
③高校日本史の基礎完成
期間:7月~8月
使った参考書:『日本史B一問一答【完全版】2nd edition』1周目、『実力をつける日本史100題』、(『詳説日本史B 改訂版』)
ここからは、センター・共通テストの点数の底上げと共に、日本史記述の基礎を作り上げていくフェーズに入ります。
重要参考書は、『日本史B一問一答【完全版】2nd edition』です。何より重要です。
まず1周目は、★★★~★★のところをしっかり叩き込んでいくイメージになります。
この一問一答に代替はありません。ひたすら信じてやっていきます。
そして、これと並行して重要になるのは『実力をつける日本史100題』です。これも良問であることに変わりはないのですが、ある程度実戦能力を試される問題集になります。
そのため、1回は一問一答を叩き込んでからやることをおすすめします。
死ぬほど重要な参考書というわけではないのですが、ライバルはみなやっていると言っても過言ではないほど有名なので、不利な状況を作らないという意味でもやることをおすすめします。
これをやりきった段階で、マークであれば80点、記述模試であれば70点は取れるようになっていること(それほどの完成度)が望ましいです。
その試金石となるのが第2回模試になります。逆に、こういった基準となる点数を取れないようであれば、作戦の練り直しが必要になります。
④京大日本史の基礎完成
期間:9月~11月
使った参考書:『日本史B一問一答【完全版】2nd edition』2~3周目、『日本史史料一問一答【完全版】2nd edition』1周目、『詳説日本史B 改訂版』1~2周目・下準備、(『“考える”日本史論述―「覚える」から「理解する」へ』)
ここからは、いよいよ京大日本史で点を取るところにフォーカスしていきます。
先ほどのフェーズでも言ったように、何より重要である『日本史B一問一答【完全版】2nd edition』を周回していきます。
この期間では、主に2~3周目を想定していますが、★~★なしといった高度な単語もとりあえず詰め込んでいきます。こうすることで、私文の日本史対策にもつながります。
と同時に、『日本史史料一問一答【完全版】2nd edition』も詰め込んでいきます。
こちらはそれほど肩肘張ってやる必要はなく、何となく「あー見たことある」という史料を増やしていくのが目的です。どうせ直前期にもまたやることになるので、スピード感持ってやるのでいいかと思います。
そしてここからは、本番で80点以上を狙いたいようなガチ勢向けですが、そろそろ論述対策も取り入れていくことになります。
ここで参考書の一例として、『“考える”日本史論述―「覚える」から「理解する」へ』をあげましたが…正直何でもいいです。
日本史論述の過去問がたくさん載っている参考書を用意しましょう。
そして、論述の解答と『詳説日本史B 改訂版』を突き合わせて、教科書の該当部分にチェックをしていきます。
考え方としては、教科書をカンニングすれば論述の答えは大体書けるというものです。
そのため、全国津々浦々の大学に日本史論述をチェック、教科書と照らし合わせ、カスタマイズした教科書を読み込んでいくという作業をしていきます。
ただし、これはかなり負荷のかかる作業になりますので、どうしても点数を取りたい人、時間に余裕がある人にぜひやって頂きたいと思います。
この段階では、マーク式では(はまれば)9割取れる力を目指していきます。
また一問一答部分がしっかりできれば、一問一答部分は7割ほど取れる力がついてくるかと思います。
このあたりも京大模試などでチェックして、必要があれば戦略の見直しが必要になるかと思います。
⑤京大日本史の応用
期間:12月~2月
使った参考書:『日本史B一問一答【完全版】2nd edition』4~5週目、『日本史史料一問一答【完全版】2nd edition』2~3周目、『詳説日本史B 改訂版』2~3周目、『京大の日本史20(15)カ年』
さて、いよいよ総仕上げになります。
『日本史B一問一答【完全版】2nd edition』はほとんどが見たことある用語になっているかと思うので、スピード感を持って復習していきます。
ただ何度も書いている通り、この一問一答が生命線になります。本番当日に一番覚えている状況になるように、本番3週間前ほどから最後の1周をやれる状況を作ることが大切です。
『日本史史料一問一答【完全版】2nd edition』に関しても、確認を目的としてさらっと復習を回していく程度でいいかと思います。
さて、このフェーズで肝となるのは実戦です。
ここでは『京大の日本史20(15)カ年』をあげましたが、京大日本史の過去問を分野問わずやりこんでいきましょう。一問一答はあくまで力試し、論述に関しては答えを覚え込んでいく感じです。前のフェーズでも説明したように、教科書にアップデートを加えていくことも大切な作業です。
ここまでやり込むことができれば、マーク型9割安定、京大日本史の一問一答も目標点が見えてくることでしょう。
ただ、論述に関しては自分の思う通りの点数が取れるとは限りません。
採点官との解釈がずれる可能性がある為です。
そのため、命を懸ける方は添削してもらえそうな人をつかまえてお願いするのも重要になりそうです。
まとめ
- 確実性を求める、漢字が得意という人には日本史がおすすめ
- 京大日本史は一問一答が70点、論述が30点
- リードを取るためには最低70点、最高80点を目指そう
- 一問一答で点数を稼ぎ、論述で上乗せ
- 5つのフェーズに分け、マーク・京大型ともに点数を底上げ
- 自分の実力に応じた戦略の練り直しが重要
とまあ、完全に書きなぐりになりましたが、自分がやってきた勉強をそのまままとめてみました。
おまけ
持っておくと役に立つかもしれない参考書
上記で絶対使ってほしい参考書については、その使用方法・時期を含めて書いてきました。というわけで、その他持っておくと何かと便利だったり、知識の上積みに使えたりする参考書をいくつか挙げておきます。
日本史用語集
いわずとしれた有名書。高校で日本史を履修している場合は、教科書セットの中に含まれているのではないでしょうか。
これを使って用語を覚えようとするのは愚の骨頂だと思いますが…。笑
用語を都度用語集で調べてみて、その説明のされ方を見てみるのは学習に有用かと思います。
詳説日本史図録
こちらは、ビジュアルで日本史を勉強しようという一環でのおすすめです。
特に、第1問の史料問題やセンター試験においては、その絵を見たことがある・ないで問題が解ける・解けないに直結してしまいます。
メジャーな美術品・出土品に関しては、その実物を見ておいて損はないでしょう。
詳説日本史研究
これは本当におまけ程度です。上記2つは私も持っていましたが、これは持っていません。笑
教科書のさらに上を行き、日本史の高校教育の最高峰・最先端です。
特に日本史の流れを深くから押さえたい、論述を極めつくしたいという場合にはおすすめです。
あくまで読み物ではなく、辞書的に傍らに置いておくような使い方をおすすめします。
センター対策
センターだけに焦点を絞りたい場合は、③をしっかりやりきった段階で過去問をやり込むことになります。
私は、所属していた予備校が河合塾だったということもあって、黒本を選択しました。特に深い意味はありません。笑
参考にしたサイト
実は、以下のようなサイトを参考にしていました。
界隈ではすでに有名かもしれません。
何かの参考にして頂けると幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
興味を持った方は、ぜひ別の記事も読んでみてください。
京大日本史
勉強法