こんにちは。TsutayaPです。
この度、日本漢字能力検定 (漢検)準1級に合格しましたので、その詳細について書いていこうと思います。
今後受験される方の手助けになれば幸いです。
他の勉強法の記事はこちら。
目次
概要
試験内容
大問が10個、一問ごとの配点は2点/1点で、合計200点満点という試験になっています。
試験時間は60分ですが、それほど時間に追われる試験ではありません。
思い出せそうで思い出せないものを考えるにはちょうどいい時間ではないかなと思います。笑
- 読み問題 (1点×30問)
- 常用漢字の表外の読み (1点×10問)
- 熟語の読みと語義 (1点×10問)
- 共通の漢字 (2点×5問)
- 書き問題 (2点×20問)
- 誤り訂正 (2点×5問)
- 四字熟語 (2点×15問)
- 対義語・類義語 (2点×10問)
- 故事・成語・諺 (2点×10問)
- 文章中の漢字の読み書き (1点×10問(読み)/2点×5問(書き))
レベル
公式サイトなどでは以下のような表記がされています。
準1級は常用漢字を含む約3,000の漢字が範囲。
大学・一般レベル。
…と書かれてもピンとこないですよね。笑
漢検2級が高校卒業程度で、漢字に強い人なら勉強なしでも合格できるレベルだと思うのですが、漢検準1級はそうはいかない気がします。
つまり、どれだけ得意な人でも少しは勉強しないと合格できないのが漢検準1級です。
漢検1級は言わずと知れた難関なので、手っ取り早く挑戦するにはいいレベル感なのではないかなと思います。*1
ちなみに合格率は約15%ほど。
まあ、数字にビビることはないでしょう。
合格点
160点/200点が合格ラインです。これは試験回によって不変なので、常にこのラインを意識する必要があります。
8割というラインは資格試験では高い印象です。なので、他の試験とは少し見方を変えて、「取れるところを取る」というよりは「なるべく落とさない」という考えも必要になります。
共通試験(旧センター試験)のような感じかもしれません。
前提条件
- 大学は文学部だが、特に国文学・日本史・中国語などに触れる機会があったわけではない
- 一方で書道サークルには所属していたので、漢字を書く機会はそこそこあった?
- 大学卒業後は、特に漢字に触れる機会なし。
- 漢検は中三の時に受けて以来(のはず)*2
ということで、漢字にものすごく弱かったということはないのですが、特段強かったということもありません。
社会人になって「侃侃諤諤」「阿る」などといった用語が聞かれるようになり、自らの日本語能力、ひいては漢字能力の弱さが気になったのが受験を決めた一つのきっかけでした。*3
あとは「漢検準1級かっこいい」という超適当かつ不純な動機からです。笑
Quizknockの山本さんは長らく「漢検準1級」、今は「漢検1級」として、その漢字の強さを遺憾無く発揮されているのですが、そういうキャラ付けがいいなと思ったのもあります。
実際の勉強
私がどのように勉強した/しなかったを各項目に分けて書いていきたいと思います。
人によって力を入れるべきポイントは変わると思うので、そのポイントを決めるための参考材料にして頂ければと思います。
使った参考書
まずはこちら。
「史上最強の漢検マスター準1級問題集」
どのサイトでも紹介されているのでご存じの方も多いとは思うのですが、漢検準1級の合格にはまず欠かせない本だと思います。
具体的にどう使ったについても後述しますが、とりあえず脳死で全部覚えたい本です。
- 問題集は別の本でもいいと思いますし、余裕があれば公式の過去問を足しておきたい
- 「四字熟語」は別途それ用の本を買ってインプットするのも合格の一助になりそう
読み関連
主に大問1〜3のことを指しています。
ここは取り掛かりやすいので、「漢検マスター」で初っ端に取り組むといいと思います。
最初に漢検準1級に特有の熟語や漢字が頭に入ると、この後の「書き」が非常に楽になると思います。
漢検マスターにはA/B/Cという3つのランクがありますが、ここはCランクまでマストです。最低2周はしましょう。
どうしても時間がないという場合は、大問2の「表外の読み」の優先度を下げるのがいい気がします。
ただ…表外の読みは基本的にやらないと解けない問題のオンパレードなので、余裕があるのであれば少しでもインプットしておきたいところです。
書き関連
読み関連の問題が入ったら続いては書きのところに入っていきます。
大問でいくと、5/8/9あたりです。
ここからは本格的な漢検準1級の勉強になります。諦めて紙か何かに書き殴って覚えていきましょう。
書けば書いた分だけ力になるパートです。
書き関連も漢検マスターのCランクまで必達です。
ただし少しコツがあって、漢検準1級ではあまりに難しい漢字が多いため、割りかし高い確率で「許容字体」が設定されています。
素の漢字で覚えるのは相当にきついので、是非是非有効活用していただければと思います。かくいう私もだいぶお世話になりました。
四字熟語
ここが肝ですね。
普通に生きているだけでは知らないような四字熟語がたくさん並んでいます。
もう意味がわかりません。笑
漢検マスターで知識を入れるのは基本的な戦略としてあるのですが、それがしっくりこない場合は「試験問題集」をうまく使ってインプットするのがいいと思います。
同じく知らないと解けない「表外の読み」はある程度捨てるのも手なのですが、四字熟語は配点の関係もあって完全に捨てるわけにはいきません。
また「表外の読み」のように「意味分からん」問題ばかりでなく、努力が生かされるのが「四字熟語」なので、踏ん張りどころと思って勉強しましょう。
私は移動時間も活かしたかったので、便利なアプリも利用して勉強していました。
対義語/類義語
これも勉強の仕方としては「四字熟語」とほぼ同様です。
ただ、何となくですが四字熟語よりはフィーリングで解ける度合いが高い気がします。
四字熟語にあまりにも挫折した場合は、こちらから先に勉強してもいいと思います。
上の「四字熟語」で紹介したアプリも有効な勉強方法になります。
私が勉強した感想としては、「類義語」が意外と思い浮かぶ一方で、「対義語」があまり思い浮かばないなということです。
漢検マスターの内容はもれなく叩き込みましょう。
共通の漢字/誤り訂正/文章題
正直優先度が低い奴らです。
というのも配点の低さしかり、問題の傾向の読めなさしかり。
そして何より、「読み」「書き」をしっかり勉強していれば対応できるようになる、というのが大きいです。
もちろん漢検マスターを最低1周をしているのが望ましいですが、よほど切羽詰まっている場合は後回しにする対象になるのかなといった感じです。
勉強期間
漢検は1年間に3回受験のチャンスがあります。
私は6月にも受験をしようと目論んでいたのですが、1週間ほどしか勉強できず受験を諦めました。
その後10月に再戦を決めた際は9月頭ごろから勉強を開始したと記憶しているので、漢検準1級に向けては2ヶ月弱勉強したことになります。
正確な勉強時間は分からないのですが、50〜75時間くらいじゃないかなと思います。
ただ、勉強時間というよりは「漢検マスター」をどれだけ完璧に頭に叩き込めるのかが重要です。
それができれば10時間でも合格は可能と思います。
試験当日/得点結果
静岡のスタバに行っておきたいという意味不明な理由から、静岡は沼津地区を受験会場に選んでしまいました。笑
東京からロマンスカーに乗って西へと向かいます。
地味に初乗車だったので調子に乗って写真も撮ってしまいました。
寄り道したのは小田原城。由緒正しき北条氏のお城ですね。
また箱根駅伝が行われる時にでも来たい場所です。
その後は試験会場の沼津に移動して腹ごしらえ。
「熟成醤油ラーメン きゃべとん」というお店で、その名の通りラーメンにキャベツが入っているのがポイントですね。
そしていよいよ試験本番。
おおむね予定通りに解いていったものの、やはりいくつか分からない問題が。
何とか最後まで捻り出して試験は終了。
その後自己採点していると…正解していると思っていた問題も微妙に間違ってそうと分かりテンションガタ落ち。笑
点数的には微妙と分かったところでお祈りゲーミングに切り替えました。
結果はというと、166点で合格!
点数だけ見るとギリギリにも見えますが、合格している人で行くとボリュームゾーンの得点なのかなと思います。
(9割以上が取りにくいので、合格点より5〜10点弱での合格は多いんじゃないかなと)
何はともあれ一安心したのでした。
合格のメリット/今後
ちょっと漢字に詳しくなったな〜と思うくらいで、特段メリットはない気がします。笑
まあ、元々そういったものを期待して受けたものではないので想定通りです。
どんな資格試験でも「準1級」というのはそれなりにすごいものだと思うので、そういった難易度のものに合格できたということは自信にしようかなと思います。
今後さらに高みを目指すとすると「漢検1級」しかないのですが、さすがにこれを受ける予定はありません。なので、漢字に関して能動的に勉強する機会はあまりない気がします。
ただ、以前やっていた書道はどこかで再開したいなと思っているので、今回学習した漢字の書き方が活かされることはもしかしたらあるかもしれません。
まとめ
- 漢検準1級は合格率15%のやや難関資格
- 合格点は8割なので、落とさないことが重要
- 読み→書き→四字熟語の順番で勉強するのが挫折しにくそう
- アプリと許容字体の有効活用が合格への鍵
- ちゃんと勉強すれば、十分独学でクリア可能
- 漢検マスター+1冊の問題集が完璧になれば合格は間違いなし
ということでかなり雑多に書いてきましたが、他に数多ある合格体験談と見比べながら、真似したいところだけ参考にして頂ければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
興味がある方は以下もぜひご覧ください。