こんにちは。TsutayaPです。
この記事では、私がかつて所属していた「京都大学書道部」について書いていきたいと思います。*1
緩く、適当に書いていきたいと思いますので、興味がある方は読んでいただけますと幸いです。*2
何となく知りたい方は、末尾の「まとめ」だけでも読んでいただければと思います。
目次
概要
京都大学書道部は、京都大学が誇る(恐らく)唯一の書道サークルです。
なので、京大に来て「あーなんか書道やってみたいな」と思った学生は十中八九このサークルに入ることになります。
規模がでかい大学になればなるほど、同種のサークルはなんぼでもあるので、どこに所属するかを決めるのも一苦労です。特に「テニスサークル」(テニサー)なんかはその傾向が顕著ですね。笑
概要の部分で書きすぎると、後々記述する部分がなくなってしまうので、この辺にしておきたいと思います。
活動内容
超ざっくり分けると、以下の3つくらいになるのかなと思います。
- 通常の書道活動(合宿・書道展を含む)
- 各イベントでの書道パフォーマンス
- その他イベント(書道は全く関係なし)
これだけ書いてもよく分からないので、先に年間スケジュールも出してしまいたいと思います。
年間スケジュール
4月 新歓
新入生が沢山見学に来ます。書道体験やリレー書道、新歓書道パフォーマンスなど、各種イベントが盛りだくさんです。5月上旬 新歓コンパ
新入生にとっては書道部に入って初めてのイベント。先輩との顔合わせです。6月中旬 初夏書展
年度1回目の書展!この書展をもって、幹部回生が交代します。8月上旬 前期打ち上げ
待ちに待った夏休みの到来です!8月下旬 夏合宿
新入生にとっては初めての合宿。練習はもちろん、部員同士の親睦も深めます。夏休み中 旧帝展
旧帝展とは、旧帝国大学の書道部が合同で行う書展です。参加は任意ですが、他大学の書道部と交流できる滅多にない機会です。10月上旬 響都展
旧帝展に引き続いて合同書展です。この書展では京都市内の大学書道部が集まります。11月下旬 NF
書展、模擬店、書道パフォーマンスと、毎年3つの企画を行っています。12月中旬 冬樟展
年の締めくくりとなる2回目の書展です。年度末で卒業する部員にとってはこの書展が最後の出品となります。2月中旬 後期打ち上げ
テストも終わり、ほっと一息。2月下旬 春合宿
初夏書展に向けて猛練習!3月上旬 4回生追い出しコンパ
お世話になった先輩方に感謝、感謝です!
面倒くさかったすごいまとまっていたので、公式から引用してきてしまいました。
これ以降で、それぞれについて少し詳しくみていこうと思います。
通常練習
京都大学には「西部課外活動棟」という昔ながらのサークル棟があります。
みんな大好き「カフェテリア ルネ」の近くですね。
ここに我が書道部の部室と練習部屋があります。
もっとも練習部屋と言っても他の団体*4と共用なので、毎日使えるわけではありません。
(勝手に軽音楽部の写真を持ってきてるやつ)
私がいた時は、水曜日と土曜日が練習日になっていました。
練習日とはいえど強制力は一切ないものなので、書道をしたい人がしたいタイミングだけ来るという非常に自由な制度でした。
故に書道廃人が屯しているということが往々にしてありましたし、書道する気はないけど他の人の作品だけ見たい、もっと進むと飯友だけ探しに来るということもよくありました。
一人暮らしの人は家があまり広くないという事情もあって、この広い練習部屋は重宝されていたように思います。
一方で私のようなずぼらかつ実家暮らし人間は、なかなか練習日に現れないということも、これまたよくありました。
それでも書道展だけは作品を出してくるので、「あの人はどこで書道をしているんだろう」となるわけですね。笑
今大学本体では廃れつつある「自由の学風」を地で行っているのが書道部じゃないかなと思います。それくらい自由なサークルです。
書風
特にありません。笑
…では説明になっていないのですが、書道経験者は各地で腕を磨いてきた人が多いので、本当に偏りがないといった印象です。
書道一般の風潮と似ている点も多いのですが、書ける範囲で書いていきます。
書体:やはり宋〜清の行草書に取り組む人が多いです。(黄庭堅、王鐸、傅山、呉昌碩など)それに次いで多いのは大字仮名、隷書(石碑系・清代問わず)、調和体あたりでしょうか。楷書は、行草書に取り組んでいる人を中心にたまに書くのを見かけます。篆書・篆刻あたりはニッチな専門家が細々と続けている印象*5です。
筆:兼毫を使っている人が多い印象。イタチ・羊毛をこだわって使う人は少数派っぽいです。ただ北海道から来た人を中心に、特に羊毛には根強い人気を感じますし、このことがより書風を自由にしている気がします。
作品サイズ:半切・全紙・二八が多いというのは、世間一般と大差ないと思います。三六以上に取り組む強者もたまに見かけます。
公式ページに作品が掲載されているので、一つの参考にしてもらえればと思います。
一人の書家*6にこだわりを持った人に影響されて、サークル内で流行する様子も見てきました。これからも、そういった流行り廃りはあるのかなと思います。
書展
年間スケジュールにもあったように、複数の書展*7に参加しています。
一番オーソドックスな建仁寺での書展の雰囲気は以下で多少掴めるかと思います。
初夏書展/冬樟展
書道部が最も大事にしている書展です。いずれも建仁寺の西来院(せいらいいん)/禅居庵(ぜんきょあん)で開催しています。幽霊部員と言われるような人たちでも、この書展には作品を出したり、あるいはそこまでは行かなくても顔を出したりということがありました。
6月にやるのが「初夏書展」、12月にやるのが「冬樟展」です。
入場無料、かつ写真撮影自由というのが売りなので、京都近くにお住まいの方はぜひ行ってみてください。笑
ちなみに様子はこんな感じ。
西来院の方は広々としているのが売りで、二八と呼ばれる呼ばれる縦240cmの作品が立ち並んでいます。
一方の禅居庵は作品の展示環境が充実しており、より趣のある空間になっています。
残りはごく簡単に。
旧帝展
その名の通り旧帝国大学である7大学が持ち回りで行う書展です。
作品を出すがてら旅行に行けるというのが楽しみの一つです。
過去に記事にしたこともあったので、詳細はそちらに譲ります。
ホームページもできていたので、参考までに。
響都展
名前は何だか仰々しいですが、京都市内の大学が参加してやっている書展です。
開催場所は基本的に京大書道部と同じ建仁寺。
長い期間をかけて、運営を各大学協力してやっていくという過程に魅力があるらしいです。*8
NF書展
NF(=November Festival)というのは京都大学の書展として有名かと思うのですが、そこでもちらっと書展を開催していたりします。
といっても教室で開催するので、あまり大きな作品がなく、小さな卓上作品が中心。かつ一般の(書道に興味がない)お客様が多いことも考慮して、面白さに寄った作品も多いので、ぶらりと見に行っても楽しいと思います。
いい感じの写真がすぐに見つからなかったので、拙作を。
こういうふざけた作品が多いです。*9
合宿
サークルでありがちな合宿は、この書道部でも実施していました。
夏休みと春休みで年2回の実施。それぞれ2泊3日がデフォ。
場所は関西からバスで行ける比較的近場が多いです。
サークル合宿なんていうと程よくレクリエーションをしながら、程よく本業もしてとなる場合が多いかと思うのですが…このサークルはガチで書道します。笑
むしろ普段より合宿の方がよっぽど書道します。
こんな風に書くとびびってしまうかと思いますが、夜通しで駄弁りながらする書道というのもなかなか乙なものです。
また、人によっては飲酒後にいい作品が書けるという迷信*10を信じている人もいますが、うまくいった人はいないとか。
書道パフォーマンス
これが目当てで書道部に興味を持った方も多いのではないかなと思います。
かくいう私もこれ目当てで京都大学を目指した1人です。
基本的に習字をかじったことくらいはありますという人が多いですが、全くの初心者でも挑戦することは可能です。その代わり、人前で見せられるレベルになるまでしっかり練習することにはなります。笑
書道パフォーマンス自体はかなり時間を取るので、何回も何回も実施できるものではないのですが、どういった場で参加するチャンスがあるのかについて書いていきたいと思います。
NF
一番オーソドックス、かつ晴れ舞台となる場所です。
主に1,2回生が参加するので、人生で2度のチャンスがあるというわけです。
11月の本番に向けては、8月か9月あたりから練習を開始して、そこからは週3回ほどの時間を割いて練習していきます。
パフォーマンスの練習に加えて、授業やバイトが被ってくるので、結構しんどかった覚えがあります。
私自身は巡り合わせもあってこのリーダーをやらせてもらったのですが、非常にいい思い出になりました。
過去の動画はこちらから見れます。(新歓パフォーマンスも含めて)
新歓
NF書道パフォーマンスと並んで、2大パフォーマンスの一つです。
4月末に新入生に対して披露することを目的として実施しています。
NFと違って春休みに練習できて比較的時間があるので、NFで挑戦できなかった人もやっている印象があります。
ただし2月くらいから練習するのでとにかく寒い…。笑
NFの大層豪華なステージとは違って、観客とものすごく近くで実施するという迫力が見どころ。
またもやネットにて拝借しましたが、これが西部食堂「カフェテリア ルネ」の屋外テラスから見たところ。
奥に広場があって、ここで書道パフォーマンスの練習・リハや本番の実施をしています。
おかげで床には墨やペンキが撒き散らされて、とんでもないことになっています。
その他
これまでのNFや新歓でのパフォーマンス実績もあって、学外の場所でも披露する機会を頂きました。
私は①京都のホテルオークラ②福知山の某中学校という2回の出演経験があります。
京都のホテルオークラというと京都市役所前にある立派なホテルですね。
下の写真のような立派な宴会場でやらせて頂きました。*11
書道に本気で取り組んでいる大学は他にもたくさんあると思うのですが、そんな中で自分達のパフォーマンスに魅力を感じて頂けたというのは嬉しい限りです。
これが決め手で京大書道部に入るとかまずないと思うのですが。笑
他のサークルではなかなかない出来事かなとも思ったので書いてみました。
その他
書道にごく真面目に取り組んでいる団体であるという事実は十分伝わったと思うので…。笑
書道以外のイベントについても少し触れていこうかなと思います。
NF
すでにこれまでも何回か出てきている単語。
11月に行われる京都大学の学園祭。4日間に渡って行われます。
コロナの影響もあって最近は少し勢いが陰っていますが、これまでは突拍子もない統一テーマと数々の意味が分からない展示もあって盛り上がりを見せてきたイベントです。
書道部の出し物としてはこれまで触れてきた書道パフォーマンス・書展の他に模擬店というのがあります。
その名の通り、学園祭で食べ物を売って収益を上げようということですね。
過去のノウハウもあるため、毎年かなりの利益を出しているらしいです。部員からの部費のみで成り立っている弱小サークルなので、こうしたところで得られる活動資金も貴重です。
私がいた時は、サーターアンダギー・焼きおにぎり・おでん・団子を提供しました。*12
11月開催で気候の変動が大きいことから、年によって売れるものが違って*13、結構やりがいがあります。
飲み会
健全な大学生なので、ほどほどに飲み会も実施しています。
何か大きなイベントがあれば終わった後に打ち上げしますし、前期や後期のテストが終わっても打ち上げします。
これはどのサークルでもそう大差ないとは思います。
飲み会といってもお酒を強要されることはありません。むしろ厳しい人の方が多い印象です。
一方で自分で勝手に飲んで潰れる人も一定数います。つまり、総じて穏やかな飲み会になっているので、安心してもらってもいいのかなと思います。
写真は京大近くにある「百万遍 寫楽」。
この他京大周りの飲み屋には詳しくなることができます。笑
突発的なやつ
大学生は往々にして暇なので、暇な部員を見つけてはドライブに行ったり、遊びに行ったり、飲みに行ったりということはありました。
私は社交的でないのと途中からバイトが忙しくなってしまったのでそうした機会はあまり多くなかったのですが…。笑
teamLabが下鴨神社でやっている展示を見に行ったのは印象に残っています。
こんなやつで、森の中にカラフルな球体を置きまくって幻想的な空間を創り出す、みたいなやつです。
例え私のように社交的でないとしても書道部に入り浸るのは簡単なので、誰かしらと仲良くなれる可能性は高いのかなと思います。笑
サークル運営
これだけ多くのイベントがあると、当然ながらそれを取りまとめる人が必要になります。
書道部では「幹部回生」という言い方をしているのですが、2回生6月〜3回生6月の1年間を担うことになっています。
この1年間は文系理系問わず、大学生活に慣れて時間ができてくるので、割と書道部にコミットする人も多かった印象です。
ちなみに私は、副部長(書展運営)・NFパフォリーダー・カメラ係・新歓係(旧帝展係?)を担当していました。
数だけ多くて、大して働いていないものも多かったですね。笑
意外とカメラ係はやりがいがあって、当時何故か買ってしまったミラーレスは今でも時々使っています。
ソニーのα5100というやつです。
雰囲気
最後の大項目です。
もはや必要か分かりませんが、参考程度に書いておきます。
構成(初心者/経験者、学部、男女比など)
全くの初心者という人は10人に1人くらいという印象です。
とはいえ「経験者」には幅があって、一番多いのは小学校〜中学校くらいまでお習字を習っていた人かなと思います。
学部は、いわゆる一般的な京大生比率と変わりありません。
理系の方が多くて、中でも工学部が多い印象。
さすが京大の京大の3分の1を占めるだけあります。
他大生はそこそこいて、1学年に3人くらいはいる印象。
各学年15〜20人くらいいるので、およそ5人に1人くらいでしょうか。*15
男女比は体感的には6:4~7:3くらいで、若干男子多めです。
ただ、世間ではレア扱いされる理系女子はそこそこいる印象。
工学部の女子学生に会いたければ書道部に入るのがいいかも、と思うほどでした。
空気感/真剣度(どんな空気感か)
基本的には緩いです。「来る人拒まず、去る人追わず」のスタンス。
人柄も温厚な人が多く、私が書道部に入った決め手にもなりました。
この空気感なら自分も生きていけるなと。陽キャ過ぎない感じが最高でした。
書道に関しても「やる時はやる」のスタンスが主流。
一部ガチの人がいて、年がら年中書道やっているという人もいました。
本当は見習いたいのですが、自分にはそこまでのモチベーションがありませんでした。
多くの人は、年数回ある書展に向けて作品を仕上げ、年2回ある合宿で書き込む感じ。
これでも3回生くらいになると、誰しもが"そこそこうまい"作品を書けるようになります。そして、卒業する頃には胸を張って「書道をかじりました」と言えるようにはなります。
…こんなんで伝わっているのだろうか。笑
人とのつながり
24時間入り浸れる「部室」なるものがあり、何の用事がなくても行くと何かしらのイベントが起きるという素晴らしい場所です。
空きコマの待機場所、終電がなくなった実家生の泊まり場所、突発的な飲み会場所などとして大いに活躍しています。
一方で部室に寄り付かなくても、大きなイベントだけ顔を出してゆるく繋がるといった関わり方も可能です。いろんなコミットの仕方があると思います。
同期
サークル運営を一緒にすることになるので、仲良くなることが多いです。
かくいう私も何回か回生旅行なるものを企画し、卒業後もゆるく繋がりがあったりなかったりします。
先輩後輩
±2回生くらいまでは、そこそこ仲良くなれます。同じサークルで2年過ごせば、関係性を築くには十分かなという印象。
一方で、3回生差(自分が入学した年の4回生、またその逆など)あると、あまり人となりを知ることないまま終わることもあります。まあ、どこのサークルもそんなものでしょう。
OBOG
年2回ある書展に顔を出す場合は多いですが、およそ誰かはさっぱり分かりません。
過去の作品集で名前を見ていたり、パフォーマンスに出ていたり、あるいは周りの反応から「この人レジェンドなんだ」と感じることはありますが。笑
他のサークルと比べると、現役生とOBOG間のつながりは弱い印象。そのことが活動を自由にしているという側面もあるとは思います。
最近ではOB展なるものが開催されるようになり、少しずつそのつながりを持とうという動きはあります。
まとめ
- 京都大学が誇る(恐らく)唯一の書道サークル
- 活動内容は①書道活動②書道パフォ③各種イベントで、年間を通じて充実
- 年2回建仁寺で書展を開催しており、書道部のメインイベントになっている
- NFは①書道パフォ②書展③模擬店という3本柱
- 合宿(年2回)は割と真剣に書道をする貴重な場
- サークル運営は主に2回生が担当、仲良くなるきっかけや就活のガクチカにも
- 部員はお習字経験者が多いが、未経験者でも2年やれば上手くなる
- 男女比に大差はなく、他大学生も一定数いる
- 24時間使える部室がとにかく魅力的、イベントも起きがち
- 書道部は楽しいのでみんな入ろう!(強引)
おまけを書こうかなと目論んでいたのですが、その気はすっかりなくなってしまいました。
気が熟したら、自分の作品振り返りでもやろうかと。
完全に下手の横好きになりそうですが。笑
(追記)書きました。
それではこの記事は終わりにしたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
興味がある方は以下も是非ご覧ください。
*1:この記事を書いちゃうとほとんど身バレすることにもなりますが。笑
*2:書いていて分かりましたが、くそ真面目にやってたら身がもたないので、本当に超適当です。まあ、丁寧に書いたとてそこまで読みたい人は身内以外いないでしょう。笑
*3:ピクミンを文字っているから表記はこうなはず…だが自信なし。
*4:主にかるた会が使っている印象。畳部屋というのはそれだけレアなんですね。
*5:まさに私は篆書を細々と書いていた人間です。
*6:趙之謙、楊峴あたりはニッチながら根強い人気あり。何紹基も偉大な書家ですが、そこまで流行らなかった印象。
*7:「書道展」と同義。どちらが一般的なのでしょうか。
*8:と言いつつ、その運営のほとんどを京大が担っているとかいないとか。
*9:と書くと他の人から色々文句を言われそう。
*10:王羲之という書聖が『蘭亭序』なる名作を書いた際には飲酒していたという逸話からきています。
*11:汚れそうでヒヤヒヤしました。
*12:多分この4つだったはず。
*13:寒い年はおでんのような温かいものが売れますし、暑い年は意外と普通のお茶が売れたりします。
*14:就職活動のまとめもしたいな…書きながらブログネタを思いついていくスタイル。
*15:ちょっと盛っている気もします。