諸行無常日記

元京大生の社会人が書きたいことを適当に書いていきます。

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【独学約2か月】簿記2級勉強法【合格体験記】【統一試験&ネット試験】

こんにちは。TsutayaPです。

この度簿記2級に合格しましたので、その詳細について書いていこうと思います。

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簿記3級の記事はこちらです。

www.tsutaya-p.com

 

目次

 

概要

試験内容

経理入門から一歩進んで、経理ではほぼ必須、それ以外でもかなり有用という位置づけの試験になります。

商業簿記と工業簿記の2分野を通して、中規模会社における会計(=お金の流れなど)を学ぶことができます。

 

試験項目は第1問~第5問という構成で以下の通りです。

商業簿記

第1問 仕訳問題:20点
第2問 帳簿・勘定記入:20点
第3問 試算表作成:20点

○工業簿記
第4問 伝票会計:20点
第5問 各種原価計算:20点

試験時間は第157回試験まで2時間でしたが、次回から90分に変更となります。

 

ネット試験は、90分で実施されています。内容はほとんど同じなのですが、配点が若干異なります。

商業簿記

第1問 仕訳問題:20点
第2問 帳簿・勘定記入:20点*1
第3問 試算表作成:20点

○工業簿記
第4問 費用計算、勘定記入など:28点(うち12点が仕訳)
第5問 各種原価計算:12点

 

社会人におすすめの資格として必ずと言っていいほど上げられる資格です。

他の資格で言うと、TOEIC600点?、基本情報技術者などと比較されるでしょうか。


レベル

受験者はこれまでだと各回6万人ほどで、合格率はおよそ15%~25%の間です。

そこそこ難しいとは言えそうです。

勉強時間としては、3級を取得後に200時間というのが一つキーとなりそうです。

ただ、かなり個人差があるかと思います。

普段から経理業務に近い業務、お金を管理する業務についている方は理解が早いと思いますし、逆にそうでない方(極端に言えば学生)はもっと時間がかかりそうです。


合格点

合格点は試験の難易度によらず、毎回70点です。

客観的指標で変化がないので分かりやすくていい…のですが、問題の難易度が試験回によってかなり変わってしまうのが難点です。

特に直近156回、157回は難しく受験者からは非難轟轟でした。笑


前提条件

今回受験した、私の勉強前の状況を書いておきます。

  • 今年度の新入社員、文学部卒
  • 職種はIT系商品企画
  • 事前に簿記3級取得(70点ちょうど…)、日ごろの業務で伝票処理は実施

多くの方が簿記2級の勉強を始めるタイミングとそれほど大差ないかと思います。


勉強期間

私は第157回(2021年2月)の試験とネット試験(2021年3月)を受験しました。

勉強を開始したのが2か月前、本気になったのが3週間前です。

ちゃんと継続的に勉強をしてはいたのですが、最初のうちは30分ほどしか勉強しない日もありました。

そんなこともあって、参考書を1周できたのは3週間前になってから。

そこから過去問などを解く本気モードに入りました。

数学的センスがある人の方が有利です。

勘がよくて根性がある方は1か月で合格できるかもしれません。

特に2週間切ってからは、空いている時間の多くを勉強に費やしました。

平日2.5時間、休日6時間くらいはやった気がします。


事前準備

電卓

簿記3級の記事でも紹介していますが、周りの評判も見ながら、CASIOの「JS-200W」を利用しました。

 

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約4000円と少々お高いですが、使いやすいこと間違いなしです。*2


参考書

使った参考書は以下の通りです。

順番としては、スッキリわかる工業簿記→商業簿記→過去問→直前予想です。


実際の勉強

大前提としては、第1問(商業簿記)・第4問、第5問(工業簿記)で満点(60点)を取りに行き、残りを第2問・第3問で狙うイメージです。

つまり、工業簿記の方が簡単かつ点数が取りやすいので重要視されているわけです。

というわけで、全体の勉強順としては、工業簿記→商業簿記の順でした。

商業簿記からやらないと分かりにくいみたいなことはないと思います。

むしろ、商業簿記の基礎は3級でできているので、工業簿記の考え方を導入するところが肝になるかと思います。

 

商業簿記

 

どのサイトでも言われていますが、何よりも大切なのが「仕訳」です。

第1問ではそのまま問題として出されますし、第2問、第3問もまずは仕訳が書けなければ話になりません。

というわけで、スッキリわかるを最初から通してやりました。

ところが何せ分量が多いということで、問題は1周何となくやった程度です。

 

その他、銀行勘定調整表・株主資本等変動計算書・連結計算・損益/貸借といった重要な表作成に関しても、問題を一通りやったのみです。

統一試験ですとある程度ヤマを張れますが、ネット試験では乱数的に問題が出されるのでそうはいきません。

がっつりやり込むまではいかなくても、全範囲をそつなくこなせるような勉強が重要です。

私は全範囲を終えるのに2週間強かかっています。

工業簿記

 

全体の40点を占めますが、冒頭述べたように満点を狙いに行くパートになります。

とはいえ決して侮れるわけではありません…。ポイントを押さえた学習が必要になります。

私が心がけていたのは以下の点です。

  • 用語の定義をきちんと押さえる
  • 図を丁寧に書く
  • 後から見直しできるように過程を残す

そもそもの計算が煩雑になるというよりは、言葉や言い回しを変えてくることが多いので、どういう出され方をしても同じパターンに持ち込めるようにするのが重要です。

私は、全範囲を終えるのに2週間弱かかってしまいました…。


過去問・予想問題演習

何よりも重要なパートです。

前述の学習がおしていたこともあり、私は統一試験3週間前から開始しました。

がめちゃくちゃ難しい…。

1・3・4問→2・3問の順に過去問をつぶしていきました。

「資格の大原 日商簿記2級 過去問題集」を使っていたので、収録されている144回まではおおよそ一通り+気になった問題(ヤマ張り問題)はもう一回やりました。

 

受けてからの感想としてはやはりこれくらいじゃ足りないですね…。

年数の遡りを必要以上にする意味はないですが、少なくともやった過去問は2周、3周として完璧にすることが肝要です。

 

過去問をする時間もあまりないのでヤマ張りするしかない!と思った私が導入したのが「TAC直前予想 日商簿記2級」です。

予想問題の質は分かりませんが、予想自体はかなり参考になるかと思います。

 
ネット試験対策

統一試験が終わってからの数日だけですが、ネット試験に向けて各社の予想問題を解きました。

参考にしたページは以下です。

www.kentei.ne.jp

形式に慣れる意味も込めて、解けるだけ解いておくのがいいと思います。

時間がない方は仕訳問題だけでも十分です。


試験当日・合格発表

統一試験

決戦は日曜日。

13時半集合ということで、幸運にも午前中かなり悪あがきをすることができました。笑

今回の会場は高田馬場にある早稲田大学西早稲田キャンパス。

理工学部が入っていますね。

勝手にテンション上がっていました。

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試験教室はこんな感じ。早稲田ってすげー。

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事前の話通り13時半から説明が始まって、試験が始まったのは13時49分。

前半は順調でしたが…後半は鬼の第2問、第3問に心を折られて終戦しました。

 

帰って自己採点してみると…68点~72点という何ともさえない点数でした。

※3/19追記

68点で惜しくも不合格でした…。

 

ネット試験

統一試験の自己採点後、即座にネット試験受験を決めました。

試験日時は3月3日19時半。わずか3日後に受けることになりました。笑

すぐ受けなおそうとした理由はいくつかあります。

  • ネット試験の方が簡単だという声を多数目にした
  • もう1回受ければ受かりそうだった
  • 勉強のモチベーションが持ちそうになかった

上記のような感じです。

 

試験当日は業務終了後に少しあがいてテストセンターまで行きました。

テストセンターでは試験予約時間の30分前くらいから応対してくれるので、少し早めに行くくらいがいいかと思います。

持ち込めるのは電卓だけ。

ボールペン、計算用紙(A4裏表白紙×2枚)はその場で渡されます。

あとは、入室するとPCにログインして即スタート、という感じです。

周りの受験生もほぼ簿記を受けていたせいか電卓音・キーボード音はかなり気になります。耳栓やイヤーマフを借りるのがいいかと思います。

 

※ネット試験において、数字を入力した際に自動入力されるはずの「カンマ」がうまく反映されない、という事象が発生しています。これが起こった時はただちに試験官を呼びましょう。すぐならばリカバリーがききます。

 

70分弱という好タイムで解き終わり見直しをしていると…ミスが出るわ出るわ…。てんやわんやしながら必死に直して時間を使い切りました。

試験終了後は即座に点数が出て、合格を確認できました。

帰り際に以下のようなレポートがもらえ、QRコードから合格証書が見られます。

結果は…90点という高得点でした。

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ネット試験の対策本はこれからたくさん出るかと思いますが、しばらくはこれまでと違い「わりと基礎的な問題を素早く解く」ことが求められそうです。

加えて問題は乱数的に出されているようなので、ヤマを張ることなく網羅的な勉強が求められそうです。

予想問題を解きこんでいくのがよさそうです。

www.kentei.ne.jp


合格のメリット

私が感じたものを書いていきます。

  • 資格欄にある程度自信を持って書ける
  • 会社のお金の流れ、管理の仕方がある程度細かいところまで分かる
  • 他の会計資格の礎になる
  • 会社の経営状況が何となく読み解ける

正直、資格手当とか経理転職のような直接的なメリットはなかったのですが…笑

それでも人気資格でいろんなところでおすすめされているだけあって、勉強する価値は大いにあります。

ただ、私のようにド文型かつ実学に興味がない方はかなり苦行になります。笑


まとめ

  • 簿記2級は経理入門、合格点70点/100点で合格率は約20%を推移
  • 一般的には約4か月の勉強期間
  • 筆者は2か月の勉強、3週間は本気
  • 必要なのは電卓と参考書、そして3級の基礎知識
  • まずは仕訳と工業簿記に注力すべし
  • 過去問と予想問題が何より重要
  • ネット試験はヤマ張りが困難
  • 社会人基礎力が身につく資格試験

あんまりうまくまとまっていませんが…これで終わりにしようと思います。

この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

興味がある方は以下も是非ご覧ください。

www.tsutaya-p.com

 

www.tsutaya-p.com

*1:連結会計はここで出されます。

*2:余談ですが、利き手と反対の手で電卓を打つことができるとかなり便利です。